海の底から司法試験

都内大学生による司法試験合格に向けた勉強の備忘録

令和元年予備試験一般教養 再現答案

1.  設問1
 政府の元来の任務はどのようなものであるか。それにつき、明確な観念を得るためには、問題を抽象的に考慮し、社会をその原初的条件において想像し、そこからおのずと生ずるであろう状況と要請とをみなければならない。人々はいかなる法律も認めることなしに生活すると、弱者が強者に抑圧されることとなる。そして、万人は何らかの共通の絆に入ることになり、その共同体の要請から自然に発生する政府を持つことになる。しかし、社会の中には、自己調整原理が存在し、共同体の行動のすべてを立法によって規制しようとする試みは、苦しみと混乱以外にははとんど何ももたらさない。そうすると、政府の元来の任務は、人身や財産という人間の自然権を守り、正義を執行することにのみあるべきで、それよりも少ないことも多くのことも行うべきではない。
2.  設問2
 今日の社会においては、教育は、全国統一的な水準確保の必要から、学習条件は政府が設定するものとされている。その結果として、既存の教育環境には存在しない学習要求を持った子どもの学習要求が充足されないという問題が生じている。例えば、独自の教育を受けたいとの要望に基づく家庭における教育(ホームスクーリング)や、人並外れた能力を持つことから発展的な教育を施す制度(ギフテッド教育)を許容しない結果をもたらしている。また、一部の地域では学区制を設けていることから、自らの居住する地域の学区の外にある学校には進学することができないという問題も生じさせている。このように、教育環境の整備に政府が関与し始めると、多様化した学習要求の充足を果たせなくなるのである。かかる問題は早急に解決すべきで政府は教育への過度な関与をやめるべきである。
 本文における筆者の主張は、今日の教育における政府の関与に基づく問題を指摘したものといえる。1840年代前半のイギリスでは、義務教育は存在せず、教育は政府以外の期間・団体によって行われていた。しかし、今日までに政府が教育に関与するようになったことにより、上記のように自己の学習欲求を満たせない者が出てきている。これは、学習権が、人身や財産のような自然権ではないにもかかわらず、自然権の保護という政府の元来の任務を越えて、政府が市民に関与するようになったことに起因する結果にほかならない。このことは、本文における筆者の主張に合致するものであるため、筆者の主張は今日の社会において、政府の教育分野への介入を批判したものと評価することができる。
以上



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